2014年6月23日月曜日

住宅街でシジュウカラが巣立ったら! If the chicks of the Japanese great tit leaves the nest in a residential area・・・・・.

 我が家の楠の巣箱で育っていたシジュウカラが今朝巣立った。一度雨が続いた時に巣箱ごと落下して一時は絶望視されたファミリーだ。3~4日前に2~3羽が巣立った模様で、今朝は2羽だけ巣立って巣箱は空になった。そう考える理由は、今日の巣立ちのサポート隊のように4~5羽のシジュウカラが盛んに警戒音で鳴きながら巣立ちを観守ってガードして居る様だったから。

 それと、早朝はまだ親鳥が給餌に来ており、巣の中からそれを大きな口を開けて待つ雛や、親が居ない時に巣穴から身を乗り出して外の様子を見廻す雛が確認されていたので。

 余計な事かとは思ったが、巣穴の正面に止まり木が無く、隣家の壁が巣立つ正面に立ちはだかっているため、何とか止まり木の替わりになる様に、巣穴正面に脚立を立てて、家庭菜園用の棒を横に置いた。案の定、巣立ちの最初にやはりこの止まり木に雛が留まった時はホッと安心した。実は何度も親鳥がその横棒に留まって巣を見上げていたので活用してくれるに違いないとは思っていたのだが大成功だった。

 放って置けばいいモノを、何でここまでケアするかと云うと、巣箱は三鷹市の野鳥を増やそうというキャンペーンで委託された巣箱だし、シジュウカラの繁殖観察記録を依頼されていたからに他ならない。しかも三鷹市は隣の国際基督教大学という野鳥の宝庫に隣接していて、其処がカラスの大群の塒になっているためカラスと云う小鳥たちの脅威が存在するという事実。もう一つはその国際基督教大学構内に野良猫が野放しで、毎日餌をやりに来る婆さんを守衛さんが黙認しているため野良猫の被害も増加の一歩を辿っているという現実が有る。(このお蔭で藪系の野鳥が激減した)

 我が家の手造りの物置で子猫の頭蓋骨を5個発見した時の驚きは想定外だった。なおかつヒヨドリと思われる羽根が散乱していたのもこれらを裏付けている。

 何を言いたいかと云うと、巣箱で育てても巣立った直後が住宅街の場合非常に難しいと云う事を言いたいのだ。地方と違ってコンクリートに囲まれた住宅街では安全な所(そんな所が在るのか否か不明だが)に到達するまで、見守る事も良いのではないかと観察を続けた訳だ。向かいのご主人と3軒離れた家のご主人も初めて雛の巣立ちを観るらしく、今朝は2時間ほど一緒に観察する事にした。

 自転車や車の往来も結構激しいので、道路上に雛が降りた場合は車を停めるなど、遠くからサポートしようと思った。しかし2時間ほどすると無事に親と一緒に行動できるまでになったので観察を終了した。

 営巣中の野鳥撮影に関しては色々マナーや野鳥関連の団体の指針もあるし、単なる興味本位で撮影しようとするカメラマンたちの呆れる行動、其処で生活する人々を無視したような身勝手な行動が、大きな問題を起こしているのもよーく理解している。営巣中の画像掲載はどの様な影響が在るかもしれないので、ブログなどに載せるのを遠慮しろというのも良く判る。

 しかし撮影者の自宅で繁殖・巣立ちをするシジュウカラは、街なかや高速道路のSAの軒先で営巣して巣立つツバメや雀と同じで、人間に慣れている。普段真横で生活している通りであれば、多少の事では繁殖放棄をしたりしない。ましてや今日のブログを観て我が家にカメラを持って空になった巣箱を撮影しに来る人でも居るのなら話は別だが・・・。

 一度は巣ごと落下して全滅し掛ったファミリーなので無事巣立つか否か非常に気になって毎日小まめに観察を続けていた。

一度大雨で固定の番線が緩み落下した巣箱だったが、応急措置でこのように少しずらして荷造り用のプラスティックの帯紐で巣箱を固定した。親の給餌を待つ最期の雛が口を開けている。

親が居なくなるとじーっと外を見つめていた。巣立の2時間前。

巣箱の正面には木が無いので脚立と横バーを用意した。向こうは隣家。

うまい具合に最初のランディングは設置した所に来てくれた。道路上に降りてしまうと、車や人間だらけ、猫やカラスやムクドリが飛び回っているため非常に危険なのだ。

直ぐに樹木に隠れたが、親が子の雛を捜せず苦労していた。一切鳴き声を発しなかったのだ。

しばらくして雛が鳴き声を発するようになり、ものの10秒で親鳥が給餌に飛んできた。

これは道路を挟んで対面のお宅の玄関の塀だが、通行人からは眼の高さに在る。雛を観ると「手乗りにしたい」と思う人が多いらしく、今日も学生らしき女性や男性が4度ほど手を出そうとしたのを、我我近所のオジサン達が制して一切構わない様にお願いした。注意と言うとどうしても「上から目線」の物言いに聴こえてしまうため極力「お願い」する事にしている。

巣立った後、我が家の楠が塒になるか否か不明だが気にしたいと思う。都会ではムクドリは住宅の雨戸の戸袋、雀は電柱上の変圧器の裏、軒先の古い雨どいの中。シジュウカラも似たような環境で育っている様だ。したがって巣立った雛が通行人に出遭う確率は、自然が近い地方とは比べものにならないほど高い。「巣立った雛を拾わない様に!」とか「構わない様に!」と言う事自体なかなか無理だ。大体一般の人はそう云う事を知らない。

2時間後、無事に親鳥と一緒に合流し電線の上でくつろぐ巣立ち雛を確認して、巣立ち観察を終えた。隣家2人のオジサンは「来シーズンは、是非自分の所でも巣箱をかけたいのでヨロシク」と言って解散して行った。こういった交流が少しでも増えるよう努めたい。



 ちなみにシジュウカラに関してはYOUTUBE上に動画で30本ほど、巣箱の中を撮影し続けた記録や7羽が巣立っていく模様を巣箱の正面から動画で収録したものなどが公開されている。このシジュウカラ・ブログはこれらと同じで特別な野鳥関係者や団体関係者対象ばかりではなく一般の方々へ発信しているものである事を此処に再確認しておきたい。

 今朝無事に巣立った事で、三鷹市にも良い報告が出来そうだとほっとした。