2015年5月2日土曜日

繁殖期のコゲラ、奥日光観察レポート。 This is the image of the breeding action observation of the Japanese Pygmy Woodpecker in spring at Nikko high-land!

 今日の奥日光レポートはコゲラの繁殖期の行動の一部をご紹介。2年前このエリアでアカゲラの交尾を含む繁殖期の行動をレポートしたが、コゲラは普段何処にでもいるせいかあまり気にしないでいた所、やはり絵になる行動があったので撮影した。いずれも川の対岸の画像でじっくりと構え、珍しく一脚にレンズを装着して撮影した。やはりこういった木道では三脚を持って、あるいは装着したまま大砲レンズを担いで移動するには難が在り、距離は稼げない上、他の歩行者に迷惑が掛かってしまう。したがって筆者は手持ちで撮影が基本。余程遠い被写体を撮影する時のみ一脚を活用している。この一脚はいざと言う時熊の襲撃を少しでも防ぐ意味で、実際役に立つかどうか判らないが心理的支え棒にはなっている。

 話がそれるが、2年前朝、この戦場ヶ原自然研究路で赤沼から300m入った湯川沿いで熊に襲われた男性は熊除けの鈴を付けていたと言うが襲われている。それなりの自己防衛は必須なのだ。ちなみに栃木県内における最近5年間の熊捕獲数は統計を見ると生け捕り・捕殺含めて年間20~55頭に登っている。年間捕殺数500頭を超える北海道や200頭を超える福島・山形・群馬ほどではないにしろ本来は大自然の側から見れば人間が侵入者で迷惑な存在なのだから被害者は熊の側なのだ。熊が絶滅してしまった九州の山奥で野鳥を観察するのと、北関東の奥地で観察するのでは、覚悟が必要と言う意味で大きく異なると言う訳だ。

 野鳥の行動が活発なのは日の出から3時間と日没前1時間。熊の出没時間もほぼ同じなのが実は野鳥観察・撮影者にとって頭の痛いポイントなのだ。

 
コゲラもキバシリやアカゲラ、アオジ、ノビタキ同様既にペアリングが成立してつがいで行動していた。このつがいも付かず離れず飛び回っていた。

どちらがオスかメスか判らないが動きは普段より活発だった。

場所は勿論示さないが、自分が歩いた限りでは3箇所でコゲラが巣穴を掘っているのを観察できた。このレポートがこのコゲラの繁殖活動に悪影響を与えたり、我も我もと押しかけても場所は判る訳が無いので掲載する。

距離は川の対岸で遠かったが、ここぞとばかり一脚で安定させてシャッターを切った。

朝行きの穴の深さはこんなもんだった。

3時間後帰りに通ったら、何と此処まで掘り進んでいた。やはり樹の真ん中は柔らかいのだ。しかし硬い樹木や左岸の壁に巣穴を掘る類の野鳥の行動のスピードは、思いのほか早い事に驚く。


顔や型?胸に木屑が付いたまま。綺麗に丸く掘っている。我が家の手製のシジュウカラ巣箱の入口がいびつなのを想い出して少し情けなくなった。

 コゲラやアカゲラの巣穴の掘る場所は、直ぐ傍を人間が歩いても・・・と言うよりむしろ好んで人間の生活エリアに近い場所に掘るが、簡単には見えない工夫がなされていていつも感心する。4年前は武蔵野の我が家から4件目の家の庭の木にコゲラが巣穴を掘って営巣した。しかし家の中からは決して見えない方向に巣穴を堀り、他の樹木に重なって見難い場所だった。この奥日光の場合も、実は木道に非常に近いのだが、50mほど進んで90度にカーブしている川越しからしか入口は見えない。自然の知恵と言うものは本当に面白いものだと思う。

 普段は公表しないが念のため、被写体との距離50m、カメラEOS1Dx、使用レンズCANON EF500mm+2.0エクステンダー使用で1000mm。木道歩行者との距離4mほどの場所。(※木道上からは位置的に見えない)

※無条件に内容精査もせず「野鳥営巣中の撮影は全てケシカラン!」だの「ネット掲載もケシカラン!」と声高に非難する御仁は、是非このブログをご覧になり、全ての野鳥観察、撮影、観察レポート発表を同一のマナー・ルールで規制すべきものか良く考えていただければ幸いに思う。