2015年6月10日水曜日

人吉探鳥シリーズ その2、台地の草原でセッカ。  The wild bird report series of the Hitoyoshi area. Part2.「Zitting Cisticola.」

 麦畑や牧場の在る高台の草原で出会った野鳥達の中で一番興味を引かれたのはセッカだ。セッカとタゲリはこの台地で生まれて初めて視る事ができた。球磨川の上流部の河原にある牧草地や錦町からあさぎり町にかけてのツクシイバラ群生地にもこのセッカと言う野鳥は沢山居る。
 小さい上に非常にすばしっこいので、一般的にはおなじ領域に居るオオヨシキリやホオジロよりは眼にし難い野鳥だが、その独特の鳴き声と独特の飛翔行動で必死に成って探せばだんだん慣れて見えるようになってくる。

 最初は草むらの中から真上、もしくは45度くらいの角度でヒッ・ヒッ・ヒッ・ヒッ~と鳴きながら上昇し、暫くするとジュン・ジュン・ジュン・ジュンと波打つようにジグザグに降下を始め地上近くになると真横に物凄いスピードで走り飛び、予め目標としていた少し高めの草の穂や枯れ草の幹に留まる。この際二本の穂に両足を掛けて大股開きで留まる姿がセッカらしいとされているが実際的にはあまり視た事がない。
 このジュン・ジュン・ジュンと下がってきて、何処かに留まったかと思うと実は留まっていなくてまた舞い上がっていたりして、なかなか留まった所を目視できないのがこの野鳥の難しい所だ。

 観察しているとヒッ・ヒッ・ヒッ・ヒッ~と鳴くピッチが遅い個体と、倍速で鳴くような早い個体が居るようだがその理由は判らない。

錦町のツクシイバラ・メイン会場でバラの中に留まってくれた。

ツクシイバラそのものには何故か留まらない。

こういった枯れ枝に近い所を好んで留まる。視ていると必ず2度3度と戻ってくる。

ヒバリよりは小さくて動きが複雑で激しいので空中の姿を捉えるのは難しい。

台地の上の休耕地の雑草。周りはチガヤの群生地。

ひときわ高い穂に何度も戻ってくる。

穂に留まった後も鳴き続けていたりする。

声さえすれば空中の居場所を見つけることが出来るようになった。

鳴きながらホバリングしている所の撮影はまだ未熟な画像しかない。

普通の少し高くなった草にも良く留まる。お気に入りの場所なのだろう。

この日は雨降りで高くは舞い上がらなかった。