2015年12月30日水曜日

団塊世代の撮影者・本人にしか判らない「老い」との付き合い方 その4.「宗教1」 How to deal with the "old" not only to the baby-boomer generation, Part4 .

  仏教と僧侶について考えてみた。我が家は藤原不比等から系図の残る大名家の血筋だ。本流・本家ではないようだが、2代前の本家筋に子が無い為祖母に先祖代々の色々な物が任された。その中に代々大名であった先祖の位牌を祭る小さな寺が存在する。茨城県行方市麻生町に建っている曹洞宗・海了寺がそれだ。小さな頃は茅葺の寺だったような気がする。大名家の寺だというので小さくても格式が高いのか、地元の人達が遠慮したのか檀家の人数は非常に少ない。40家族あるかないか、しかも地元に住んでいるのはその半数らしい。

 一方で本家筋ではないが家系の末裔の筆者は何故か仏教が大嫌いで、物心付いたころから神道を信じている。これは小さい時に坊主に怒られたからとか、線香の煙が嫌いだったとか言う理由ではない。モノや人が嫌いだと言うのに理由は要らないし、大体において直感的なもので、嫌いなものは嫌いなのだ。好きになれ、理解しろと言われると余計に嫌いになるのは皆さんも経験があろう。一方で神道が気に入っているのはその単純明快である事とご利益というモノに沢山接することが出来たからかもしれない。更にある尊敬する皇族様(故人)の子分末席になり、その方が勿論神道なので影響を受けたせいもあるかもしれない。

 逆に、小さい時から接してきた僧侶・坊主は、基本的に物言いが上から目線で、きつく諭すような言葉遣いだった。このいつも偉そうな態度がまず気に食わなかった。それにやたらと他に比べて金を取る宗教だという事も好きにならない理由の一つだった。
 
 神社の神道も教会のキリスト教も神主さんや牧師さん・神父さんから「何をすると幾ら・・・。」などという話は聴いた事がなかった。仏教の場合人が死んで戒名をつける段になると高い戒名代が必要だ。特に我が家のような殿様家系だと最初に「大」が付き途中に「殿」が付くとなると戒名代の桁が違う。勿論戒名代金には根拠もルールも説明もない。自分の父親の葬儀の際にこれを体験し、自分の際は真っ平御免だと思った。

 ケチな自分には、「お金と言うものは死んでしまった人間に使うより、生きている人間に使うべきものだ」と思えたのだ。余談だが海軍江田島の教官だった父親は56歳で広島の原爆の後遺症らしい血液癌・白血病でこの世を去った。その時筆者は28歳、ちょうど親の半分だから自分の人生は残り半分だと思った。

 そこで、仏教と僧侶について仏教の外側から客観的に解説した文献や資料を調べてみた。それで判った事は次のような事だった。

 538年に伝来した仏教は、当時の海外(西方)では皆仏教を信じている~との話を知った時の権力・政治関係者中心に飛鳥・奈良時代に広がり、一般民衆においては神仏融合の動きが進んだ。 このあたりから願い事・祝い事は神道、葬儀など「死」にまつわる辛い祭事を仏教が担当するようになる。後から入ってきた仏教を広めるには「辛い事・嫌な事」を率先して担当する事が早道だと言う戦略的なことだったかもしれない。

 一方で、日本古来の神道とは違い、海外から入ってきた仏教を伝える僧侶達は「漢字」を伝え、神道の関係者より行動的で知識欲も高く「寺=僧侶=知識=情報」というものが確立されたのだと思う。
 つまり情報機関の無い昔の日本において、寺の僧侶という存在はそのエリアにおけるあらゆる情報源だったと推察される。同じ宗派の横のつながり(=集会)で都の情報など広いエリアの情報、托鉢その他で地域を歩き回り、地域情報に詳しかったと思われる。これは江戸時代中期までずーっと続いていたのだろう。これら「情報」を上から目線で「教授し伝える」事で寺の存在と威厳と権威を保持してきたのだろう。

 しかし時代は変った。文明開化で交通手段は急速に発達し、電信・郵便・新聞が一般人に使えるようになる事で「情報」は寺や僧侶の特権ではなくなった。それが今ではスマホなどSNSで個人レベルで逢った事もない人間とお互い繋がり、コミュニケートする時代だ。益々仏教・寺・僧侶は遥か遠い存在になってしまったのだ。

 団塊世代が今目の前にある案件「宗教と死と葬儀と墓」に関する入口がこの辺りにある話なのだろうと思う。時代は変り、常識も変り、「普通・当たり前の事」がどんどん変る現在、団塊世代が己の「終活」をどうするかよーく考えるべき時期になったのだと思うが如何だろう?

・・・・と言う訳で、続きはまた。

今日の野鳥は不知火海でチラ見出来たアオアシシギ・・・と思われる個体3羽。







 アオアシシギは旅鳥だという。クサシギに似ているが脚がより長く青緑色の脚で背中の真ん中が縦に白い。クサシギの背中全体が褐色であるのに対し大きく異なる点だろう。水鳥に関してはまったく知識が乏しいのでこの3羽が別の種類・名前である場合は是非ご指摘願いたい。勿論YAMASEMI WEBの問い合わせコーナーからお願いしたい。