2016年1月4日月曜日

八代海沿岸でタゲリ観察。  I observed a Northern lapwing in Yatsushiro coast line.

  正月4日目の今日からはレギュラーの野鳥関連ブログに戻ろうと思う。正月2日のNHKBSプレミアムで「完全版 明治神宮不思議の森」を観た。今から100年前に日本の植物・樹木学者たち3名が中心になって、ドイツの造林・営林学を基本に全国から献上された樹木で人工的に造られたのが明治神宮の広大な森だ。

 この番組では150年計画で完全な森を造るべく針葉樹を中心に造林し、その後徐々に広葉樹(常緑広葉樹・落葉広葉樹)へと自然に変換していくと目論んだ事を紹介している。しかし番組で「天才」と持ち上げた3人の学者たちが150年で完全な森に~と計画したのが早くも100年で完成したと述べていた。しかし、何故かその50年早まった理由にまでは踏み込んでいなかった。

 自然環境と植物に関して少し勉強した経験値から考えるに、50年早まった理由は明治神宮の森を周回する道路を走る自動車の排気ガスだと思っている。自動車の排気ガスには沢山の二酸化炭素が含まれている。植物は二酸化炭素を吸収して幹が出来どんどん育っていく。二酸化炭素の多い都市部の樹木は、ヒートアイランド現象で温度も高いせいか、山奥の樹木よりはるかに早く育つ。東京のど真ん中にある明治神宮の森はこれの実証例だったのだろう。

 明治時代の樹木・植物学者たちも、100年間の自動車の発展普及とそれが出す排気ガス(=二酸化炭素)の影響までは予測できなかったのだろうと思う。

 あの1964年の東京オリンピックでマラソンコースになった甲州街道のケヤキ並木など、目の下を走る車の排気ガスで巨大化し、今や枝打ちその他保全に大騒ぎしているのと一緒だ。更には街路樹に良く考えもせず巨大樹木メタセコイヤを植えたため、その生育スピードの速さに足元の歩道の敷石が根っこの拡張で波打ってしまっている場所も多い。

 いつだったか、研究室の大学生に「二酸化炭素を吸収して樹木が大きくなった事はどうやって証明するのですか?」と訊かれたことがある。だから簡単に解る様に説明した。「あのね、木を燃やしてご覧?炭になるだろう?炭って樹木が吸収した炭素だよ。」もの凄く理解できたようで、逆にこちらが驚いてしまった。今時の学生諸君は中学校や高校でそういった基本的な事を学ばないのだろうか?

 今日の野鳥は「タゲリ」

 何度かこのブログでも紹介した極めて日本的な綺麗な色の中型野鳥だ。角のような冠羽や金属的な玉虫色に輝く翼の色など、大好きな野鳥の一つだ。冬季に渡って来る冬鳥だ。






背景は宇土半島。不知火海(=八代海)沿岸の干拓地で撮影。10羽ほどの群れは50km内陸の人吉でも毎年観察される。