2016年3月25日金曜日

ヤマセミの一番の天敵は青大将! The first natural enemy of the crested kingfisher is a Japanese rat snake !

 3月も後半になると、多くのヤマセミは既に巣穴で抱卵中だと思われる。この時期普段見かけるはずのヤマセミの姿がいつもの半分程度になると思われる。片方が卵を抱いているから当然の事だ。決して何処かへ行ったわけではない。これが4月中旬にもなれば、巣の中で雛がかえり、育雛の時期になるので、急に採餌行動で忙しい親2羽を頻繁に観る事になるだろう。

 しかし、この繁殖期こそヤマセミにとっての天敵青大将への注意が肝心なのだ。昨年まで数年間ヤマセミの繁殖を観察してきたが、毎年3~5個は卵を産むはずのヤマセミの全体数が思いのほか増えない理由の一つが此の青大将の影響である事が最近判ってきた。

 全国の平均は知らないが、筆者が観察を続けてきた人吉・球磨地方では特にこの青大将による影響が激しいようだ。以前、ヤマセミの巣に入り込む青大将のレポートを報告したが、今日は夜のうちに巣穴の中に入り込んで、雛を一羽呑んだ青大将が、翌朝雛への給餌に来た親がそれに気が付いて大騒動が起きた。巣穴の青大将が追い払いに来た親を威嚇する場面の貴重な画像を2014年の記録からご紹介したい。

 実はその決定的瞬間は動画で撮影してあるため、そのストップモーションカットを連続でアップした。まだまだ最新の4K動画ではないため、ヤマセミの親鳥の姿自体は動いてしまっているが、巣の中から鎌首を出している青大将の大きな口は認識できると思う。

 
既に巣穴に青大将が入り込んでいる事を知った親鳥が、けたたましく鳴きながら何度も巣穴に入ったり、入り口付近でホバリングして青大将を巣穴入り口まで誘導した。中には5羽の雛が居たのだが、既にこのとき青大将がそのうちの一羽を呑んでお腹に入っている。残った雛はこの段階で4羽。(※後で判明した事実)

そうして、入り口に再び近づこうとした瞬間!

中から青大将が「シャーッ!」とばかりに大口を開けて鎌首を突き出してきた。

瞬間、寸での所で身を翻したヤマセミの親鳥が反転した瞬間。

そのまま一旦逃れる親だが、実はこの後、此の親鳥は捨て身の物凄い行動に出るのだ!

 動画からの切り出しなので視難いがご容赦願いたい。大学の理工学術院研究所へ提出する論文レポートには別テイクの鮮明な画像を掲載予定。提出後このブログ上で動画と共に鮮明画像の掲載を予定している。なおこの巣穴画像は3年前のもので、この巣穴はこの壁面自体が全面的崩落により3m程後退しているので現存しない。翌年は別の場所に巣穴が掘られている。