2016年7月28日木曜日

大雨・増水の時だけの「濁りすくい漁」 This is the Japanese traditional fishing only able at time of heavy rain flooding.

  やっと関東地方も梅雨が明けた様だ。しかし関東地方の水がめは水位が低く、このまま台風が来なければ給水制限が有るかもしれない。関東地方は地震も頻発しており東日本大震災の前のような不気味な状況だ。もはや熊本エリアとは違う数日間に震度4~5弱が5回も集中している。

 ただ、東京を中心とした関東エリアの住民は普段から地震が在って当たり前と言う生き方をしているので、多少の事では驚かない。3.11の貴重な経験がある意味「覚悟」を植え付けたのだろう。

 今日は明けてしまった梅雨だが、今年の大雨時期に滞在中の熊本・人吉で球磨川の「濁りすくい漁」を偶然撮影したので紹介しようと思う。
 魚を餌とする野鳥たちも同じ方法で採餌するらしいので、ある意味人間と野鳥の共生・共創の良い例なのかもしれない。どちらが先なのかは判らないが普通に考えれば野鳥がやっている様子を見た人間が真似をしたのだろうと推察する。

 要はこういう事だ。川が増水して濁り流れが非常に速くなる。そうすると余程大きくて川底の岩の影にへばりつける種類以外は流されてしまう。従って川の両岸の流れの緩い、上手くすれば障害物で逆流が起きているような岸壁沿いにへばり付き増水の数日間を生き延びる訳だ。雨が止めば本流が濁っていても樋管と言われる支流、水路からの綺麗な澄んだ水が流れ込む水門付近に魚が集まるというのが一つの特徴だ。しかし足を滑らせて川に落ちればまず助からない。増水時の球磨川の流れは川幅200mの場所で秒速5mに達するとんでもない速さだ。

大雨増水の球磨川本流正面のタチヤナギのある部分は普段は河原。川舟が2艘舫ってある部分は普段はウォーキングする堤防道路になっているが冠水。

川の流れに沿って網を上流から下流に堤防岸壁をこそぐように流す。

そうするとほぼ毎回魚が入ってくる。但しプロがやる場合の話。

地下(じげ)さんという地元の川魚漁師がやるとこの通り。真似して近所の人がやらせてもらっていたが一匹も入らなかった。いずれも対岸からの撮影。

このコンクリが樋門と言ってきれいな水が流れ出している。魚の溜り場所だ。

この通り若鮎が入って来た。

ほんの20分で手ごろな鮎が豊漁。

自分も生まれて初めてやらせてもらったら2匹入って来た。

一匹は綺麗な若鮎。

もう一匹は綺麗なカワムツ、いずれもヤマセミの大好物だ。

二度目の網にはナマズが入って来た。

これは地下(じげ)さんが上げた毒魚ギギ。背びれとムナビレ2か所に毒針が在るが、ヤマセミはこれを呑んでしまう。それを20分掛かって撮影した記録が在る。