2016年8月20日土曜日

団塊世代が観たリオ・オリンピック報道! The Baby-Boomer thinking about media broadcasting about Rio-Olympic games.

 リオ・デ・ジャネイロ、オリンピックは残すところ数日になった。今回の日本代表は今までのオリンピックと少し違った「日本人」を色々な意味で世界へアピールしたような気がする。
2016年8月20日現在のメダル総数ランキング

過去においてメダルはおろか8位入賞すら果たせなかった種目でメダル獲得出来たり、えっ?日本もこんなのエントリーしてたんだ!等と言う競技種目が在ったりして日本人自身が意外に感じた部分も多かった今回のリオ・オリンピックではなかっただろうか。
Rio Olympic games Official site

 カヌーや競歩、バドミントン男女単・女子複の金、卓球男子単、など史上初メダル獲得種目も新鮮だったが、世界の注目する・水泳の4×200m男子リレーや陸上男子400mリレーなど、日本人を含むアジア人種には永久に無理だろうと思われたパワー種目で銅や銀を獲得したというのは日本人全体が誇りに感じたと言って良いだろう。

 特に、陸上男子400mリレーに関しては世界中の人種がミックスしてできた国アメリカに勝ったのが驚きだ。これは欧米のメディアがこぞってニュース配信したようだ。

頑張った選手たちとは裏腹に、実況を含めてリオ・オリンピックを報道しているメディアにもいくつかの変化が見られた点で、過去のオリンピックとは多少異なっていると感じたのは筆者だけではないだろう。

 まず、NHK含めてオリンピック特集を組んでいる民放も、相変わらず総合司会に芸能人タレントを持って来たり、何でもスポーツと言えば出てくる人間絶叫マシーン「松岡修造」が画面に出ていたが、種目別のコメンテーターに過去の同じ種目のメダリストや経験著名人を持ってきていたのにお気づきだろうか?

 水泳で岩崎恭子、田中雅美、バドミントンで潮田玲子、卓球で平野早矢香、柔道の山口香、陸上の朝原宜治、体操の塚原直也など、過去のオリンピックではなかなか画面で解説をしていなかった著名アスリートが、今回は的確なコメントを述べていて非常に納得がいった。

 こうなると、気合いだけで全種目を一括りにしてしまう松岡修造タイプのコメンテーターは完全に浮いてしまっていた。この辺りはやっとスポーツの頂点のオリンピックをテレビ流に演出してしまった過去の大会から大きく一歩前進したような気がする。

 一方でワイドショウで中継で繋いだリオ・デ・ジャネイロのスタジオにメダルを下げて登場したアスリートたちへの司会者たちのインタビュー、あるいは数秒前にメダルが確定し涙溢れるアスリート達へのインタビューがあまりに酷くて呆れてしまった。


たった今、3位決定戦で銅メダルを獲得した選手が、金が欲しかったのに残念無念、ゴメンナサイ!と涙にくれているのに(これはこれでせっかく銅メダルを取れた他のアスリートに対して失礼だとも思うが・・・)、4年後の2020年東京オリンピックは?と畳みかけるように何度も訊いていた。抱負を語らせたいのか?メダルに挑む意思を確認したいのか?はたまたメダルを約束させたいのか?

 日本のメディアの一番嫌らしい部分だ。たった今メダルをやっと手にできて、それまでの重圧から解放されたアスリートに向かって、どうしてそういう事を訊けるのだろう?海外のジャーナリストや通訳の方々が日本のメディアのインタビュー内容を横で聴いていてびっくりした顔で呆れていたのが印象的だった。

 種目は忘れたが、マイクを突き付けて同じ様な質問をしたインタビューアーに対して「今、やっとメダルを取れてホッとしているのに4年後の話ですか?もう今からプレッシャー掛けるんですか?」と呆れるようにコメントしていたのが印象的だった。是非、その後に「そういうあなた方マスコミの期待や質問が選手たちの一番のプレッシャーになっているんですよ!気が付きませんか?」くらい言って欲しかった。生放送中継中なら、そこだけ編集して切る訳に行かないので大きな効果が有るだろう。

 一方で今迄の実績、戦果が余りに偉大で、金でも銀でも全然かまわない、その存在自体がすでにレジェンドになっているレスリング女子の吉田沙保里選手などは自ら4年後は難しいとコメントしているようだ。誰も責めないだろう。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160820-00050071-yom-spo

 特に、2020年東京へ向けてウダウダ訊いていたのは、民放の東京に在るスタジオのスポーツにまるで縁のないコメンテーターが多かったように感ずる。

 JOCの竹田さんの出来損ないの息子が、代表選手が「楽しんでプレーできた」だの「良い経験をさせてもらった」と言っているのに対しネット上で噛みついているようだが、なに様?スポーツ音痴の自称学者には解るまい?

 オリンピック選手が「競技を楽しめた」と言ったのは、確か水泳女子のアイドル千葉すずが最初だったと思う。
 当時、各方面から相当非難を浴びていた様だが、選手に対し期待とプレッシャーを掛けまくるマスコミメディアに対して、最大のしっぺ返しだったと思う。

 当時の日本においてはそれ以上の抵抗をメディアにはできない雰囲気が在った。しかし今は違う。 ほとんどのアスリートが世界に留学し年中世界の色々な強敵と切磋琢磨し日常英会話をこなしている。それにメディア対策を専門家に事前教育されているから、皆同じ様な言い回しでメディアに対応し小賢しい部分も感ずるほどだ。

 柔道、その他先輩後輩の戒律の厳しい競技種目は別として、勝ち上がるには昔からの悪しき伝統、スポ根、しごきなどの鎖から解き放たれたアスリートが今後の日本の活躍の突破口に成るだろう。

 テニスの錦織など日本に居るよりアメリカに居る方がはるかに多い。サッカーのヨーロッパプロ所属組と一緒だ。日本に居て日本語しか喋れないスポーツ音痴のコメンテーターにオリンピックアスリートを批評・評価する資格など無い。竹田君は恐れ多くも日本の皇族の血を引いているとかで売り出したらしいが、良い所を一つも引いていないのは残念。

 我々団塊世代は1964年高校入学と同時に東京オリンピックを体験している。その時のオリンピックと2020年のオリンピックは大きく異なるだろう。

 ここで少し重たい話ではあるが・・・。

 個人的には東京湾の海底の放射線量が福島の強制退避エリアより多く、今なおその数値が増え続けているという現状のまま、2020年の東京オリンピック開催には反対だ。
 福島原発汚染地下水遮蔽も見事に失敗している現状で、なし崩し的に東京オリンピックに話題を集め、福島原発がもたらしている危機から全世界の目を背けるこの国の政策はある意味で間違っていると思う。

 更にはIOCのオリンピック開催日程(実はアメリカの大きな放映権料スポンサーであるTV局の生中継の時間が理由)が日本の真夏に当たるのに、その弊害を碌に考えず招致してしまった付けはこの先相当大きな問題を引き起こすだろうと思う。

 開催年度には夏の温度が何度に成るかわからないが、昼間太陽が出ている間の実施は無理だろうし、世界で初めてナイターのマラソン、午前0時スタートなどと言う事になるかもしれない。選手、関係者、観客に死者もしくは相当数入院患者が出るだろうと思うのだが如何だろう?

 それでも熱帯夜で25度以上の日が続きそうな予報が出れば、いっそ東京での開催は止めて、北海道の東部・釧路だとか根室での臨時開催を出場アスリート各国NOC、あるいはIOC本体から言い出すかもしれない。全く何が起こるか予測できないのが2020TOKYO OLYMPICなのだ。

 森会長だって生きているかどうか判らないし、小池百合子だってもう都知事じゃないかもしれない。担当大臣だってどっかのオッサンではなく、鈴木大地や荻原健司のような金メダリストかも知れない。明日や明後日も見えないのに今から2020年のことなど判る訳がない。

 いざとなれば直前だろうが何だろうが開催を返上する予想まで立てられそうで変な意味ワクワクしている。