2018年3月3日土曜日

団塊世代の棚田捜しの旅は終わらない。 Researching the rice terrace journey is not ended.

 団塊世代の棚田特集に思いのほか多くのアクセスが集まり、筆者大変喜んでいる。本来はヤマセミ中心の野鳥のブログサイトなのに有り難い事だ感謝に耐えない。野鳥を追えば棚田に出遭わぬ訳は無い。空の鳥ばかり追い続け、足元の棚田に気が付かぬようでは恥ずかしい限りだ。今後もせいぜい棚田の魅力を掘り下げようと思う。

 そういう訳で、今日で今回の棚田の最終回としたい。今日の棚田も北九州小倉のひっそりとした無名の棚田だ。JR小倉駅から1時間に1本しかないローカル線もしくは路線バスで南の方角へ15km程行き、そこから約2km徒歩で30分山へ向かって歩く。バスは無い。

 最初に此処へ連れて来てくれたのは小倉の附属小学校時代のクラスメートだ。門司で歯科を開業しているが北九州歯科医ネットランキングでナンバーワン人気の歯医者さん。スーパーカーの様なベンツで連れて来てくれた。それから1週間後、JRに乗って一人で来てみたら曼珠沙華が満開だった。ロケハン時に大きなオオスズメバチの巣が農家の軒先に下がっていてブンブン唸りながら飛び回っていたので、小倉のスーパーでススメバチ用の強力殺虫剤を買って肌身離さず持ち歩いたが、事無きを得て農家の玄関に「差し上げます」と書置きをしてプレゼントしてきた。

 二度目の曼珠沙華満開の時ですら筆者意外には誰も写真撮影者はおらず、農家の方も普段通りの農作業に勤しんでおられた。やはり農業の営みとリンクしている棚田の佇まいが筆者は好きだ。
 棚田のフォルムや山奥感を強調したいのだろうか、電柱や家屋を消し込む不届き者が多いと聞く。消込ソフトやブラシ処理で在るものを無いがの如くしてしまう風潮はどうしても好きになれない。
農家の方が稲穂をきれいに揃えていた。


こちらは未だ刈り取ったばかりでハゼ掛けの真っ最中。

これでちょうど半分の景色。

棚田と曼珠沙華の撮り方は写真雑誌に特集があろう。名所では人の方が多かったりするらしいが此処ではその心配は皆無だった。

棚田の向こうに筑前の山々が霞んでいる昼下がり。これでこの棚田の標高が想像出来よう。

畦を縁取る赤い曼珠沙華、稲の刈り取りが早いか曼珠沙華の咲くのが早いか、こればかりは毎年お約束は出来かねるそうだ。

高低差のあるあぜ道の両側に咲き乱れる曼珠沙華、壮観だった。

精一杯撮影をしたら、小倉の鍛治町に在る「田舎庵」の鰻重を食べるに限る。天然鰻がある場合は是非にお勧め。5千円以上するがそう年中食べられるものではない。此処の鰻、九州では人吉市の上村うなぎ屋と双璧だと筆者は勝手に思っている。